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企業・団体 清掃活動促進(ピリカ)

アジア7地域のごみ拾い活動を可視化、ボランティア活動を推進し続けるBNPパリバの取り組み

BNPパリバは、EU圏、そして世界を代表する金融機関のひとつです。2022年より「ピリカ企業・団体版 見える化ページ」を導入、日本だけでなくAPAC(アジア太平洋エリア)でも広くピリカを利用されています。

「グループ全体で年間100万時間のボランティア」を目標に掲げ、社をあげてボランティア活動に積極的なBNPパリバ。今回はその熱意の源、APACまでカバーエリアを広げた背景、そして企業が社会課題に取り組むことの意義についてBNPパリバの今村祐介様にお話いただきました。

今回インタビューご協力いただいた今村祐介様

1. 「グループ全体で年間100万時間のボランティア」という驚くような取り組みを2020年からグローバルで開始。

まずは、BNPパリバがピリカと出会った経緯について教えてください。

グループ全体約20万人の社員で、年間100万時間ボランティア活動に時間を費やそうという「1 Million Hours 2 Help」プログラムが2020年から始まりました。より多くの社員がボランティアに参加できるよう、様々な種類のボランティアを用意する中で、ピリカに出会いました。


会社を挙げた取り組みの中でも、社員1人1人がCSR活動に従事しよう、という動きが始まった経緯は何でしたか。

BNPパリバの本社はフランス・パリにあります。ヨーロッパ、とりわけフランスは、環境・社会問題に非常に関心が高い国であり、そのフランスをリードする金融機関であるBNPパリバもESGやCSRに力をいれてきました。ボランティア活動についても以前から取り組んではいましたが、これまで以上に積極的に活動をし始めたのは「1 Million Hours 2 Help」がきっかけだったような気がします。


数ある社会貢献の中でも、ごみ拾いに着目された理由は何でしたか。

BNPパリバには、CSRに関する4つのピラー(柱)があります。Economy(経済)、Our People(社員)、Community(社会)、Environment(環境)の4つです。このEnvironmentの中で何かできる活動を探していました。NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラムの河川清掃活動に従事していたこともあって、ごみ拾いに注目していたところ、コロナ禍の状況下で、顔を合わせて皆で一緒に清掃活動…といったことができなくなったのを契機に、SNSピリカを2021年から利用するようになりました。


ボランティア活動に応じた有給付与の仕組みがあると聞きました。

BNPパリバでは、ボランティアを行うための有給「CSR休暇」(年1日)という制度があります。コロナ前までは、顔を合わせて行うボランティア活動が主だったので、CSR休暇の取得条件は明確だったのですが、コロナ後、特にピリカを使ったオンラインゴミ拾いについては、どのような条件でボランティア時間としてカウントするかについては少し議論が必要でした。結果、日本では「ピリカ上で60回投稿すると半日有給休暇を付与する」という閾値を設けることにし、社員にボランティアへの参加を呼びかけました。

投稿数1位だった社員の方が、ご自身の投稿写真で作ったモザイク画

社内ランキングの様子

社内での反響はいかがでしたか。

実は参加した人数は多くはなかったんです。ピリカによる「個人でごみ拾い活動をしてアプリ上でシェアして」というコンセプト自体が浸透しきらなかったことがあるかもしれません。

ですが、ピリカのコアなファンを作ることができました。ピリカを使った清掃ボランティアを、参加者の投稿数によるランキング形式で実施したのですが、びっくりするくらいの投稿をしてくれた社員が現れました。他にも、以前から個人的なごみ拾い活動はしていたものの、それがピリカによって可視化されたことで「より楽しさを感じる!」と続けている社員もいます。

ピリカはまさにそういったコアなファンに支えていただいていると私も感じています。投稿に対する「ありがとう」等も、ピリカ側でサクラのような人員は一切用意していないんですが、ユーザーさんが積極的に「ありがとう」やコメントを送ってくださっていて。本当に助かっています。



2. 日本で「見える化ページ」導入後、APACまで導入エリアを拡大。

より幅広くAPAC(アジア太平洋エリア)で導入することとなりましたが、エリアを拡大しようと決断された経緯は何でしたか。

実は、昨年2021年の段階でAPAC全体で展開できるのではないかと思っていました。ごみを拾うという活動自体は日本独自の文化ではないし、皆が取り組むべきことだと感じていたので、APAC全体で取り組めないだろうかと考えていたんです。しかし「ピリカというアプリ自体がどういう機能を持っているのか」「他国の類似のアプリと何が異なるのか」という疑問が上がっていて、香港などは当初導入にあまり乗り気ではなかったんです。

そこで、まず日本で導入してみて、日本でコアなファンを作ったり、それを社内のIntranetの記事にして共有してみたり…などして、社内で認知度を上げることに取り組みました。その結果、今年、APACの中の7地域(オーストラリア、ニュージーランド、韓国、台湾、タイ、香港、日本)で展開という形に至りました。全く同じボランティアをAPAC全体で一同に取り組むといった企画はこれまでにはないもので、しかもそれを日本が主導して呼びかけることができたことは、とても嬉しく思います。

社内Intranetに実際に投稿された記事

色んな国の、特色ある投稿が見られて面白いですね!

国によって拾われるごみの種類が違ったりするところがダッシュボードで見られたら面白いと考えています。グローバルのCSR担当者が集うミーティングに参加した際、ちょうどその日がEarth Dayで、Apple Storeに小嶌さんのインタビューが載っていました。ピリカの話をしたところ、ベルギーなどの社員何人かがその場でインストールしてくれ、おもしろそうだ、というフィードバックをもらいました。APACでうまくいけば、来年はグローバルに広げていきたいと思っています。


3. 社員が「問題を自分事化」する手伝いをするのが、企業が社会課題に積極的に関わっていく意義。ごみ拾い推進のために意識向上を目指すBNPパリバ。

環境問題に取り組む企業の広がり、カーボンニュートラルなどに積極的な推進がみられる一方、ごみ拾いはそこまでの強制感はない現状です。そんな中、先駆的に取り組まれているBNPパリバとして、ごみ問題に企業が参加することの意義はどのように考えていますか。

ごみ拾いに限ったことではないのですが、企業とその社員が、社会をよりよくする活動に参加するためには、3つステップがあると思っています。

まず、会社がCSRやボランティアを推進しているという姿勢を見せることです。制度を整備し、トップからのメッセージを全社員に伝えていくことがとても重要で、BNPパリバの場合でいうと、CSR休暇と「1 Million Hours 2 Help」がそれにあたります。

次に、社内における意識の向上です。環境問題に関していうと、BNPパリバは、映画監督Craig LeesonをBNPパリバのサステナブルパートナーとしてパートナーシップを結び、同監督の作品『Plastic Ocean』を社内で上映しました。プラスチックが環境に与える悪影響を社員に理解してもらったのち、社内から使い捨てプラスチックの排除に取り組みました。

最後に、社員一人一人による社会課題の自分事化です。「なぜその活動をやらなければならないのか」が腹落ちしていないと、人は動きません。お昼休みに外部から講師を招き、社会課題について話してもらうイベントを開催し、その社会課題はどこか遠くで起きていることではなく、自分の身の回りで起きていること、というのを理解してもらい、自分事化してもらい、ボランティア活動へと繋げていく、という仕掛けづくりを意識しました。

6月中旬からは、対面でのボランティア活動が可能になったため、皆で集まってごみ拾いしてピリカで投稿…などのイベントも現在考えております。

この前印象に残るエピソードを社内の人から聞きました。社内で2021年の6月~11月の6か月間で拾ったごみの数をランキング形式で発表していたのですが、そこにいつもトップにランクインする社員が「ごみは手袋付けて自分の手で拾うのが一番」と話していたんです。ランクインした人にはトングを景品としてプレゼントしていたんですが(笑)。また社内ランキング1位の人は会社の通勤往復の際にごみ拾いをすることが多いとのこと(10km〜20kmの距離)で、3位の人は会社が終わった後散歩するときに拾っているみたいです。ピリカに取り組まれている他社さんのトップランナーさんにも話を聴いてみたいですね。


今後見える化ページを通じたごみ拾い活動、環境問題全体について、目指していきたい姿を教えてください。

見える化ページ上で、各国でどのようなごみが落ちており拾われているのかを可視化することで社員のモチベーションアップに繋げていきたいです。また、日本発のオンラインゴミ拾いボランティアを見える化ページと共にグローバルに展開していき、「1 Million Hours 2 Help」の実現に近づけたいです。「環境問題×オンライン」の取り組みは難しいのですが、それができる環境がピリカを通じて整えられるので助かっています。


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企業名:BNPパリバ 業種:金融機関 導入サービス:ピリカ企業・団体版

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