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プレスリリース

地方自治体向けの公共資産マネジメント支援ツールを開発 - 道路ネットワーク分析に基づき、利用者視点での資産評価を実現 -

科学技術の力で環境問題の解決を目指す㈱ピリカ(東京都渋谷区、代表取締役:小嶌不二夫)は清水建設㈱(社長:井上和幸)と共同で、地方自治体による財政と環境に配慮した公共資産マネジメント計画等の策定支援を目的に、道路ネットワークモデルを活用した公共施設・インフラ統合評価システム「パブリック・アセット・シミュレーター(Public Asset Simulator)」を開発しました。本システムは、公共サービスの基盤となる道路インフラのネットワーク分析をベースに、ネットワーク上に立地する公共資産の価値を評価するもので、単なる個別施設の利用度・劣化度の評価に留まらず、アクセス方法等も含めた利用者視点に近い資産評価が可能となります。


地方自治体が保有・管理する公共施設、インフラ施設の多くは高度成長期に整備され、今後、これらの施設の老朽化が進むことで、維持管理・更新費用の増大が懸念されます。一方、少子高齢化や生産年齢人口の減少により、地方自治体の財政事情と都市環境は今後、一段と厳しさを増していくことが予想されます。そうした中、各自治体では、公共資産の老朽化問題に対応するため、資産保有の基本方針等を盛り込んだ「公共施設等総合管理計画」等を策定しており、今後、これらの上位計画に基づき、公共施設の統廃合やインフラの長寿命化投資など、公共資産マネジメントの最適化に向けた具体的な事業計画の策定が本格化することになります。パブリック・アセット・シミュレーターは、こうした自治体による公共資産マネジメント計画の策定支援を目的に開発したものです。


パブリック・アセット・シミュレーターの資産評価シミュレーションのベースとなるのは、道路地図情報から作成した道路ネットワークモデルです。具体的には、特定エリアの道路網を交差点とそれらを結ぶ経路の集合体としてモデル化した上で、公共施設などの資産情報、人口や産業立地に関する統計データを紐付け、システムのデータベースに取り込みます。


このデータベースを用いて経路分析・迂回分析を行い、現行の道路ネットワークを評価。さらに、将来人口や長期財政予算の予測値、自治体が策定した公共資産の管理運営方針等に基づく想定シナリオを付与してシミュレーションを実施することで、想定シナリオにおける各資産の重要度の階層評価、公共資産の統廃合や長寿命化投資の優先順位づけを行います。シミュレーションの結果と、資産分野別のライフサイクルコスト資産データを組み合わせることで、財政面での効果を検証することも可能です。


当社は今後、清水建設㈱と連携して、本システムの地方自治体への展開を進めていく予定です。

パブリック・アセット・シミュレーターによるシミュレーション例

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