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自治体 清掃活動促進(ピリカ)

「おもへぐねばつづがね(面白くなければ続かない)」の心をごみ拾いにも

秋田県は、20年以上に渡って職員による清掃活動を行なったり、環境あきた県民塾といった環境に関する講義・体験プログラムを展開したりと、積極的に環境保全活動を行なっている自治体です。今回は、そんな秋田県がピリカ 自治体版 見える化ページを導入した経緯や、そこに秘められたごみ拾いへの深い考えや情熱を、秋田県 温暖化対策課 三浦様にお伺いしました。

秋田県 温暖化対策課 三浦様

1.「見える化ページ」導入前から、年間5000名の職員が参加するクリーンアップを22年に渡り実施

「見える化ページ」の導入前から定期的に清掃活動をされていたそうですね?

月1回職員によるクリーンアップを行っています。最終水曜日に、通勤途中や勤務開始前にオフィス周辺を清掃して、県内のクリーンアップに取り組んでいる団体・企業にも「それぞれの場所で清掃活動をしましょう」と声をかけています。平成13年から始めて今年で22年目ですが、毎年約延べ5000人の職員が参加していますね。

職員のクリーンアップは、清掃活動に限らずスポーツ・除雪ボランティアなどの地域活動に活発に関わって「県職員の仕事だけでなく地域の活動に貢献しましょう」ということで行っています。

清掃活動に参加される秋田県職員

県民が参加している清掃活動強化月間(日)にはどのようなものがありますか?

4月をクリーン強調月間にしており、毎年7万人から8万人程度が参加しています。他の都道府県では、国が環境月間にしている6月を清掃活動強化月間にしているところが多いですが、秋田県では冬に積もった雪が溶けてごみが目立ってくる4月がベストな時期なんです。特に4月の第3日曜日を「あきたビューティフルサンデー」として清掃活動強化の日にしています。



2. 「結果が分かりやすい」「個人レベルでできる」ごみ拾いを入り口に環境問題を考えてほしいという想い

なぜ見える化ページを導入したのですか?

2つ理由がありまして、1つが環境活動への若年層の参加促進、もう1つは楽しんで取り組める仕組みとして最適だという点です。

1つ目の若年層の参加促進に関してですが、現在秋田県では環境活動に参加している人は60代〜70代の方が多いです。例えば、「環境あきた県民塾」というプログラムの修了者をあきたエコマイスターに認定して地域の環境保全活動のリーダーにしているのですが、マイスターは60〜70代の方が中心です。もう少し若い年代で環境保全活動に取り組む人を増やしたいという意図がありました。

2つ目の楽しんで取り組むという点に関して、秋田県が大切にしている「おもへぐねばつづがね(秋田弁で『面白くなければ続かない』)」という考えがあります。例えば、雄物川を20年間クリーンアップしているNPO団体は、「ごみを拾ったらカヌーに乗れます」という楽しさをプラスすることで参加者をたくさん集められるようになりました。また、県の取り組み「あきエコどんどんプロジェクト 」では、エコ活動でポイントを貯めると賞品が当たるかもしれないという楽しさを環境保全活動に取り入れました。この「おもへぐねばつづがね」をクリーンアップにも取り入れる手段としてピリカが最適だと感じました。

秋田県の見える化ページ

三浦様は温暖化対策課ですが、ごみ拾いを促進するのにはどんな意図がありますか?

結果が目に見えて分かるごみ拾いを入り口として、県民の方に地球温暖化など他の環境問題も深く考えるきっかけを提供したいという想いがあります。今最も取り上げられている環境問題が地球温暖化で、国としては2050年を期限としてカーボンニュートラル宣言を行っています。秋田県もカーボンニュートラル宣言を行っており、再生可能エネルギーの普及・森林保全活動などを促進していますが、いざ個人レベルとなると何をすればいいのかピンと来ないのではないでしょうか。例えば二酸化炭素は目に見えないですし、増えても減っても普段の生活ではよく分からないですよね。一方、ごみ拾いは綺麗になったことが目に見えて分かり、個人レベルでの環境保全活動の入り口として最適だと感じました。ピリカを使うことで、ごみを拾う人もそれを応援する人も個人レベルでの環境保全活動に参加でき、それが他の環境問題を考えるきっかけになるだろうという意図がありますね。



温暖化対策課として見える化ページを導入することに苦労はなかったですか?

それほど大変ではなかったです。温暖化対策課という名前ながらも環境問題対策全般の普及啓発係という役割が元々ありましたし、デジタル化という時代の流れに即しているということで、SNSピリカや見える化ページは取り入れやすかったです。


3. 「拾うだけがごみ拾いではない」SNSならではの緩やかなコミュニケーションでごみ拾いを盛り上げる

見える化ページ導入後に県民の方から反響はありましたか?

県民の方から見える化ページの導入に感謝の声をいただき、「もっと多くの方に広めたいのでピリカのポスターをもらえませんか」という依頼までいただきました。また、大学生にSNSピリカを利用したごみ拾いについて紹介した後、その大学の環境サークルがごみ拾いの投稿をSNSピリカで行ってくれ、環境保全活動へ若い方に参加してもらうという導入時の目的も果たせましたね。

あと、SNSピリカのタイムラインからも県民の方が楽しそうにごみ拾いをしている様子が伝わってきますね。



SNSピリカの投稿を通して、ごみ拾いに関するコミュニケーションが活性化されましたか?

そうですね。SNSピリカでは、ごみだけでなくポイ捨てがあった場所の風景写真やごみ拾い前後に行った趣味のことも一緒に共有される文化があり、コミュニケーションが活性化されているのを感じます。

例えば、ごみだけでなく酒とつまみの写真が載った「お酒を飲んでからごみ拾いに行きました」という投稿に日本酒や刺身のコメントがよせられて盛り上がっていたり、立ち寄った観光地でごみを拾い、その風景の写真に反応が集まったりと、投稿者も見てる人も楽しんでいる様子が伝わってきますね。こうした緩やかなコミュニケーションはSNSならではのもので、対面での会話では生まれないものかもしれません。

あと、SNSピリカでごみ拾いの投稿に「ありがとう」やコメントを送って応援することも、とても大切な役割を果たしていますね。「拾うだけがごみ拾いではない、お礼を伝えるのも一緒にごみ拾いしていることと同じ」という意識で、個人のアカウントでも県民の方の投稿にコメントすることを心がけています。

お酒を飲んでからごみ拾いをするという投稿に面白いコメントが続く


4. 環境問題解決の取り組みについて今後取り組みたいこと

現在SNSピリカを使って行っているごみ拾い促進活動を教えてください。

企業へのアプローチやメディアとの連携、普及啓発動画の作成などを行なっています。

企業がごみ拾いをして社会活動しているということを届けたいという思いで、新聞などで見かけたクリーンアップ活動を行っている企業・団体には、ぜひSNSピリカに投稿しませんかと個別に提案しています。

また、2021年の秋には、秋田放送がSDGsウィークの一環で、SNSピリカを活用したクリーンアップキャラバンという取り組みを行いました。あとは、ABSのラジオに2回ほど出演してピリカのことを紹介しました。

普及啓発動画では、昨年漫画家おおひなたごう先生と協力のもと作成した、ストップ・ザ・温暖化あきた「COOL CHOICEでつくる秋田の未来」という動画の中で、SNSピリカを使ったごみ拾いについても紹介しています。

ストップ・ザ・温暖化あきた「COOL CHOICEでつくる秋田の未来」ピリカ篇

ピリカユーザーが増えることは、結果的にごみ拾いをする人が増えるということになるので、「見える化ページ」や「動画」を通じて、少しでもピリカに興味を持つ方やピリカユーザーを秋田県内で増やしていきたいです。



SNSピリカを使って今後どのような社会にしていきたいですか?

SNSピリカを使って「みんなで大々的にクリーンアップをするだけではなく、ごみが落ちていたらさっと拾う。」という世の中にしていきたいですね。メジャーリーガーの大谷選手が試合中によくごみ拾いをしていることはご存じでしょうか?アメリカのtwitterなどメディアに掲載されているのですが、「これこそ自分が考えていたごみ拾いのあり方だ!」と思ったんです。集団でのクリーンアップも大事ですが、「試合中でも街の中を歩いている時でも、ごみが落ちていたらさりげなくさっと拾う」という感覚をもっと広めたいですね。

そのためには「人間は地球という家に住んでいる」という意識が重要だと思います。家の中にごみが落ちていたら拾ってごみ箱に捨てるじゃないですか。家ならポイ捨てしないし拾うのに、なぜ街ならポイ捨てするのか?ごみ拾いの本質はそこだと思うんですよね。街の中も地球という大きな家の中であるという感覚を持って、自然にごみ拾いする意識を世の中に広げていきたいです。

また、「地球という家の中のごみを拾う」という意識で清掃活動を促進することは、まちづくりのあり方を考えることでもあります。コロナ禍の影響で団体活動から個人活動にシフトしてきている社会変化も踏まえ、SNSピリカや見える化ページを活用して個人がさりげなくごみ拾いする秋田県にしていきたいですね。



あきたエコマイスター

あきエコどんどんプロジェクト 

クリーンアップキャラバン

ストップ・ザ・温暖化あきた「COOL CHOICEでつくる秋田の未来」

秋田県見える化ページはこちら

「ピリカ自治体版」の詳細についてはこちら

自治体名:秋田県庁 業種:地方公共団体 従業員規模:3957名(県庁一般行政のみ) 導入サービス:SNSピリカ自治体版

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